機械翻訳の歴史を紹介します。
日本において機械翻訳はこれまでに2度ブームを迎えました。
最初は90年前後に電気通信系主要企業が第一世代の実用システムをほぼ製作したワークステーションと一体型で発売した頃で、ユーザーは一部翻訳会社のほか一般企業でしたが、これは92〜93年頃で終わりを迎えました。
24ドットの漢字プリンターやスキャナーのセットで600〜800万円代の時代です。
ソフトのみの販売も数社ありましたが90年前後は英日、日英それぞれ50万円で93年頃には20万円になりました。
第二次ブームは95〜97年頃にやってきました、これは当時10万円まで翻訳ソフトが下がるなか94年暮れに「コリャ英和」が一万円を切った価格で発売されたのがきっかけで、個人が一斉に購入に動きました。
月に一万本と業界一年分の販売本数を一桁超え、他社もこれに追従しました。
このブームの背景にバブル崩壊後のパソコン価格の急落により一般家庭にパソコンがかなり普及したことと、ウインドウズ、インターネットの登場があることも見逃せません。
第一次ブームにおいては翻訳システムの実力は英日でも60%ほどの翻訳精度で70%あればトップクラス、日英はせいぜい50%台でした。
広告の例文では一般の注意を引きましたし、新聞や雑誌も「夢の技術」と持ち上げられましたが、これはその例文用に予めチューニングを施して市販版よりも訳語が改善するようにしたものでした。
購入してみると期待はずれの翻訳でしかも読み取りや前編集に時間を割かれることが多く、結局放置される道を辿りました。
第二次ブームの頃に機械翻訳の活用を試みた翻訳者が少なくありませんでした。
しかし、翻訳ソフトは文脈に沿う訳を選べるような機能をそなえていないこともあり、その感性を満足させる訳文にはなりませんでした。
翻訳品質はソフトによって雲泥の差があります。
これは93年以降開発部門を解散した企業が多く、文法が改良されていない一方で、開発体制を維持した企業数社(ソフトハウスと電気通信系)が改良を継続したことよります。
開発技術者が文法スコアの改善を重ねている翻訳ソフトはその頃から構文の解析・生成面で10〜15%、訳質では13〜18%ほど向上しています。
分野にもよりますが、文章によっては85%を超える精度があります。
専門辞書を組み込めばこれまで守備範囲になかった専門分野の仕事も増やせますし、翻訳者の知識とユーザ辞書やパターン辞書に登録すれば、意に沿う訳文が安定して出せます。
仕事に欠かせないツールとする翻訳者も多くいます。